オープンマリッジは”夫婦公認の浮気”?「アホなの?」と罵声の嵐|その甘い言葉の裏にある地獄と法的リスクを徹底解説

仲良く話す男女

オープンマリッジは”夫婦公認の浮気”?「アホなの?」と罵声の嵐|その甘い言葉の裏にある地獄と法的リスクを徹底解説

「ねぇ、ちょっと話があるんだけど…。俺たち、オープンマリッジっていうのを試してみない?」

もし、ある晩、あなたが愛しているはずの夫から、悪びれもせず、むしろ”新しいライフスタイルの提案”とでも言わんばかりのキラキラした目で、こう切り出されたとしたら。あなたの頭の中は、一瞬で真っ白になるでしょうか。それとも、真っ赤な怒りで満たされるでしょうか。

「オープンマリッジ」――。最近、一部の芸能人やインフルエンサーが口にしたことで、SNSのトレンドにも浮上する、この耳慣れない言葉。聞こえはなんだか現代的で、自由で、進んでいる感じがするかもしれません。しかし、その実態は「夫婦がお互いの合意の上で、配偶者以外との恋愛や性的関係を持つことを認める」という、にわかには信じがたい関係性のこと。

ネットのコメント欄や知恵袋には、拒絶と罵声の嵐が吹き荒れています。「ただの浮気正当化」「浮気したいなら結婚するな」「民法の意味わかってる?」「そこまでして結婚生活を続ける意味がわからない」。そう、これこそが、多くの人が抱く、至極まっとうな感覚でしょう。

ですが、私たちはこの言葉を、単に「アホな人たちの戯言」と切り捨てて思考停止してしまっていいのでしょうか。なぜ、こんな突拍子もない関係を望む人たちが現れるのか。その背景には、現代社会が抱える結婚制度の歪みや、性の不一致という深刻な問題、そして「個人の自由」という名の、甘く危険な響きが隠されています。 ジャーナリストとして20年以上、様々な家族の形を取材してきた私が、今回はこの「オープンマリッジ」という名のパンドラの箱を、徹底的に解剖します。その甘い言葉に隠された残酷な現実と、あなたが絶対に知っておくべき”法的リスク”。これは、あなたの尊厳と未来を守るための、緊急警報です。

もくじ

「アホなの?」ネットで罵声の嵐!”夫婦公認の浮気”、オープンマリッジとは一体何か?

まず、敵を知ることから始めましょう。この得体の知れない言葉の正体と、なぜこれほどまでに世間の反感を買うのか。その理由を整理します。

ポリアモリーとは違う?「オープンマリッジ」の(一応の)定義

よく混同される言葉に「ポリアモリー」があります。これは、関わる人全員の合意の上で、複数人と同時に愛情深く、誠実な関係を築く生き方のこと。関係者全員がお互いの存在を認識し、尊重し合うのが特徴です。

一方、オープンマリッジは、あくまで「結婚している夫婦」が基盤。その上で、”外”での恋愛関係をオプションとして追加する、という考え方です。多くの場合、外の相手には「こちらは夫婦関係を継続する意思がある」とはっきり伝え、本気にならないこと、家庭を壊さないこと、などの”ルール”を設ける、とされています。…そう、あくまで、理屈の上では。

「浮気したいなら結婚するな!」9割の人が抱く”至極まっとうな”嫌悪感

なぜ、オープンマリッジはこれほどまでに批判されるのか。それは、多くの人が「結婚」という制度に求める、根源的な価値を根底から覆すものだからです。

▼世間のリアルな声▼

「散々遊んでおいて、老後の面倒だけは見てもらおうって魂胆が見え見えで気持ち悪い」
「結局、性欲をコントロールできないだらしない人間の言い訳でしょ。風俗行けばいいじゃん」
「『お互い様』と言いつつ、結局は男側だけが楽しんで、妻は泣き寝入りするパターンしか想像できない」
「子供が一番の被害者。『お父さんには別の彼女がいるんだよ』なんて、どう説明するの?」

人々が結婚に求めるのは、唯一無二のパートナーとしての絆、貞操、そして何よりも「安心感」です。オープンマリッジは、その全てを「古い価値観」だと切り捨て、自分たちの欲望を正当化しようとしているように見える。だからこそ、多くの人が生理的な嫌悪感を抱くのです。

それでもなぜ?彼らが”禁断の果実”に手を伸ばす、甘く危険な言い分

では、批判を覚悟の上で、なぜ彼らはそんな関係を望むのでしょうか。提案する側、特に男性側が口にする”言い分”は、大きく3つに分類できます。

言い分1:「もうときめかない。でも”家族”としては愛してる」恋愛感情と情愛の分離

「君のことは、人として、家族として、心の底から愛している。でも、もう恋愛対象としては見られないんだ」。これは、長年連れ添った夫婦が直面する、残酷な現実かもしれません。恋愛のドキドキは薄れ、相手は「空気」のような存在になる。それでも、築き上げてきた歴史や子供との絆は、何にも代えがたい。だから、”恋愛”というスパイスだけを外から調達し、”家庭”という安定した基盤は維持したい。これが、彼らの主張する「愛情の分離」です。

言い分2:「日本の夫婦の4割がセックスレス」性の不一致という深刻な病

これは、より切実で、根深い問題です。産後の心身の変化、仕事のストレス、あるいは単純な相性の問題…。セックスレスは、多くの夫婦が誰にも言えずに抱える、深刻な悩みです。片方は求めたいのに、もう片方は応えられない。この苦しい状況を打破するための”最終手段”として、オープンマリッジという選択肢が浮上することがあります。「君を無理強いしたくない。だから、外で解消させてほしい」という論理です。

言い分3:「個人の自由を尊重したい」束縛からの解放という名の”自分勝手”

「結婚したからといって、個人の自由が奪われるのはおかしい」「お互いを縛り付けるのではなく、一人の人間として尊重し合うべきだ」。一見、非常に理性的で、現代的な価値観のように聞こえます。しかし、その言葉の裏には、「結婚という制度の責任や義務からは逃れたい。でも、妻という便利な存在は手放したくない」という、究極の”自分勝手”が隠れている場合がほとんどです。彼らは「自由」や「尊重」という美しい言葉を盾に、あなたを”都合のいい女”のポジションに固定しようとしているのかもしれません。

【弁護士に直撃】「夫婦の合意」は法廷で通用する?オープンマリッジの”法的リスク”という現実

「でも、お互いが合意してるなら、問題ないんじゃないの?」そう思うかもしれません。しかし、日本の法律は、そんなに甘くありません。当事者間の”おままごとルール”が、法廷という現実の前でいかに無力か。弁護士として断言できる、残酷な真実をお伝えします。

断言!民法上はただの「不貞行為」。慰謝料請求は可能です

結論から言います。たとえ夫婦間で「オープンマリッジに合意します」という念書や同意書を交わしていたとしても、配偶者以外と肉体関係を持てば、それは民法770条に定められた離婚原因である「不貞な行為」に該当します。

つまり、もしあなたが後から「やっぱりこんな関係は耐えられない」と思い直し、離婚と慰謝料を請求した場合、裁判所はそれを「不貞行為」と認定する可能性が極めて高いのです。夫と、その浮気相手の両方に対して、あなたは慰謝料を請求する正当な権利を持っています。

「同意書」は気休め?覆される可能性と、立証の難しさ

「でも、同意書があるじゃないか」と夫は反論するでしょう。しかし、裁判所は、その”同意”が本当にあなたの自由な意思に基づいていたのかを厳しく見ます。「夫から強く言われて、断れなかった」「経済的に夫に依存しており、逆らえなかった」といった状況が認められれば、同意は無効と判断されることがあります。また、公序良俗に反する合意として、その効力自体が否定される可能性も。夫婦間の口約束や簡単な同意書は、法的には非常に脆い”砂上の楼閣”なのです。

子供の親権、財産分与…離婚時にあなたが圧倒的に不利になる可能性

最も恐ろしいのは、離婚時のリスクです。一度でもオープンマリッジに同意してしまったという事実が、「婚姻関係を継続する意思が双方になかった」「夫婦関係は既に破綻していた」と判断される材料になりかねません。そうなると、不貞行為を理由とした慰謝料請求が認められにくくなるだけでなく、財産分与などで、あなたが不利な立場に置かれる危険性すらあるのです。

“地獄のルール”と”残酷な現実”。実践者たちが語る理想と末路

法律論だけではありません。オープンマリッジを実践しようとしたカップルが、その先に何を見ているのか。数々の取材や相談事例から見えてきたのは、理想とはかけ離れた、悲惨な現実でした。

「本気になったら即終了」「避妊は絶対」…守られるはずのない”おままごとルール”

オープンマリッジを始めるカップルは、必ずと言っていいほど、詳細な”ルール”を決めようとします。「家庭には持ち込まない」「相手の悪口は言わない」「本気になったら終わり」「必ず避妊する」…。しかし、人の感情は、そんなルールで縛れるほど単純ではありません。最初は遊びのつもりだった相手に本気になってしまったり、感情的な繋がりができてしまったり…。ルールは、破られるためにあるようなものなのです。

感情のインフレーション。嫉妬、劣等感、そして愛情の枯渇

「自分は嫉妬しないタイプだと思っていたのに…」。多くの実践者が、そう言って後悔します。夫が楽しそうにデートの準備をする姿を見るだけで、胸が張り裂けそうになる。新しい相手と自分を比べて、底なしの劣等感に苛まれる。やがて、夫への愛情そのものが冷え切り、家庭はただの”同居人”が住む、冷たい箱に変わっていきます。

「夫の提案でオープンマリッジを始めて1年。最初は刺激的だったけど、今はもう地獄。夫は外の彼女に夢中で、私はただ家事と育児をする家政婦。私の心はもう死んだ。こんなことになるなら、最初から離婚すればよかった。#オープンマリッジ #失敗談 #後悔」(出典:SNS投稿より引用)

性感染症のリスク。あなただけでなく、”外の相手”も巻き込む危険

これは、見過ごされがちですが、極めて深刻なリスクです。パートナーが外で誰と、どのような関係を持っているのかを完全に管理することは不可能です。性感染症に感染するリスクは飛躍的に高まり、それはあなた自身の健康を直接脅かすだけでなく、もし相手にも家庭があれば、そこをも巻き込む、取り返しのつかない事態に発展しかねません。

もし、あなたの夫が「オープンマリッジにしない?」と言い出したら

この記事を読んでいる方の中には、まさに今、パートナーからこの”悪魔の提案”をされている方もいるかもしれません。感情的になる前に、どうか冷静に、そして自分の心を守ることを最優先に行動してください。

その言葉の裏に隠された、本当の”SOS”を読み解く

夫がこの言葉を口にする時、その背景には何があるのかを見極める必要があります。それは、単に「他の女とセックスがしたい」という身勝手な欲望なのか。それとも、「君との関係が苦しい。何かを変えたい」という、不器用で歪んだ形のSOSなのか。もし後者であれば、オープンマリッジという安易な逃げ道ではなく、夫婦カウンセリングなど、専門家の助けを借りて、関係の根源的な問題と向き合うべきです。

流される前に、あなた自身に問うべき”3つの質問”

  1. 私は、本当に、心の底から、この関係を望んでいるのか?(夫を失いたくないから、という恐怖心からではないか?)
  2. この選択をした場合、私が失うものは何か?(自尊心、安心感、子供の笑顔…失うものを具体的にリストアップしてみる)
  3. もし明日、夫がいなくなっても、私は一人で生きていけるか?(経済的、精神的な自立はできているか?)

これらの質問に、一つでも「いいえ」と答えるなら、あなたは絶対に同意してはいけません。

NOを突きつける勇気。そして専門家へ相談を

あなたの答えがNOなら、はっきりと、そして毅然と断ってください。「私は、あなたと二人だけの、特別な関係を築きたい。それができないなら、夫婦でいる意味はない」と。それでも夫が聞き入れないのなら、それはもはや価値観の違いではなく、あなたへの裏切りです。一人で抱え込まず、弁護士や夫婦問題カウンセラーに相談してください。

まとめ:結婚とは何か?”新しい愛の形”という言葉に惑わされず、あなたが守るべきもの

オープンマリッジは、”新しい愛の形”などという、美しいものではありません。それは、完璧な相互理解、鉄の精神力、高度なコミュニケーション能力、そして完全な経済的自立といった、超人的な条件をクリアした、ごくごく一部のカップルだけが挑戦できる(そして多くは失敗する)、極めて難易度の高い関係性です。

多くの凡庸な私たちにとって、それは単なる”地獄の入り口”でしかありません。

結婚とは、制度とは、そして人が誰か一人のパートナーと人生を共にしようと誓うことの意味とは、一体何なのでしょうか。それは、社会的な体裁のためでも、経済的な安定のためだけでもないはずです。雨の日に傘を差し出し、風の日に寄り添い、病める時も健やかなる時も、ただ一人、自分の隣にいてくれるという絶対的な「安心感」。それこそが、私たちが結婚に求める、何にも代えがたい宝物なのではないでしょうか。

どうか、”自由”や”多様性”という、聞こえのいい言葉に惑わされないでください。あなたが守るべきは、流行りの思想ではなく、あなた自身の心と、尊厳です。

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